中学受験での「ゲーム禁止令」は効果があるのか!?~ゲームに関して親にできること~
こんにちは! 中学受験専門、プロ家庭教師の佐藤です。
今回の記事は「中学受験を見守る親にできること~やってはいけないNG行動~」の続編となります。
テーマは【受験勉強中のゲームを禁止すること】
中学受験を目指すご家庭が、子どもにゲーム禁止令を出すことは、果たして効果的なのでしょうか。
「中学受験をなんとか成功させてあげたい!」
そんな強い気持ちから、お子さまを見守るお母さま・お父さまは
ご家庭で様々な工夫をされているかと思います。
そのようなご家庭の取り組みのなかで、よく耳にするのが
「ゲーム禁止令」
中学受験の勉強中は、Nintendo Switchやプレイステーションなど
テレビゲームで遊ぶことを、お子さまに一切禁止するご家庭がいらっしゃいます。
たしかに、お子さまにテレビゲームをやらせてしまうと
いつまで経ってもテレビの前から離れなくなってしまったり
宿題や塾の勉強をほったらかしにしてゲームに夢中になってしまったりと
テレビゲームの存在は、中学受験において大きな弊害になるように思われます。
だからこそ、本人の将来のためにと
親にできることの一環として
中学受験の期間中は、お子さまに「ゲーム禁止令」を出すご家庭も多いのが現状です。
しかし、この記事の結論を先に言ってしまうと
「ゲーム禁止令」は、中学受験を見守る親がやってはいけないNG行動です。
「そんなはずない!」
「うちの子はゲームやらせたら勉強しなくなるから禁止させなきゃダメ」
「中学受験の邪魔になるからゲームには絶対に触れさせたくない」
「中学受験において、親にできることの一番は、ゲーム禁止令だ」
とお思いになる方もいらっしゃるでしょう。
そのお気持ちは、私自身、非常によくわかります。
私も10年以上、中学受験の現場に携わってきましたが
「ゲームに夢中になりすぎて、先生の宿題が終わらなかった」
「ゲームのせいで寝不足で、勉強に集中できなかった」
「家庭教師の先生が来ても、なかなかゲームをやめようとしない」
と、お子さま本人や保護者の方からお話しいただくことは多数ありました。
ゲームさえなければ、もっと成績も上がるだろうにもったいない……!
そう感じたことは、何度も何度もあります。
それでも私は
「ゲーム禁止令はお子さまに出さないでください」と
すべてのご家庭にお伝えしています。
なぜなら
ゲームをすることによるデメリットより
ゲームを禁止することで起きるデメリットの方が
中学受験においては
はるかに大きいものになってしまうからです。
今回は、中学受験を見守る親がやってはいけないNG行動として
- どうして「ゲーム禁止令」が中学受験に悪影響なのか
をお話しすると同時に
中学受験を見守る親ができることとして
- 「ゲーム禁止令」を出さずに、どうやってお子さまを勉強へ前向きにさせるか
をお伝えできればと思います。
今回のブログ記事と出会ったことで
あなたのご家庭の中学受験が満足した結果となり
「やってよかった中学受験!」
「楽しかった中学受験!」
と思っていただけるようになりましたら、何より嬉しいです。
それでは中学受験における「ゲーム禁止令」の落とし穴と
中学受験を見守る親ができるお子さまへのサポートについて
ここから詳しく見ていきましょう!
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中学受験、親ができることとは――お子さまにゲームを禁止するのはNG
【「ゲーム禁止令」が中学受験でNGな理由①】
親に隠れてスマホゲームなどをやるようになる&最悪の場合…
そもそも、テレビゲームというものは
お子さまの目にはたいへん魅力的に映るものです。
テレビのCMや、塾へ向かうまでの駅の広告などでは
愉快なキャラクターたちが楽しい世界を冒険しており
それだけで「なんだか面白そうだ!」
とあなたのお子さまは思うことでしょう。
もちろん、それだけではありません。
あなたのお子さまは小学生。
学校や塾のクラスなどで何かしらのゲームが流行ることもあり
「ゲームをしていないだけで、みんなの話題に入れない」
「ゲームをしていないだけで、友達と一緒に遊べない」
などといった状況が起こり得ることもあります。
「ゲームがないと仲良くなれない友達となんて付き合わなくていい!」
「友達と遊べないなら、その時間に勉強すればいい!」
と、もしかしたら考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、生活の大半を学校というコミュニティで過ごし
小学生同士の人間関係の中で生活しているあなたのお子さまにとって
そんな修行僧のような考え方は、絶対に不可能です。
「友達はゲームをやっているのに…」
「自分もゲームでみんなと一緒に遊びたいのに」
そう不満を抱いているお子さまに、無理やりゲーム禁止令を出すとどうなるか。
私の経験則上、お子さまはほぼ確実に
親に隠れてゲームをするようになります。
今の時代、スマートフォン持っていれば、親に隠れて無料ゲームを遊べてしまいます。また、スマートフォンをお子さまに買い与えていなくても、学校配布のタブレット等でゲームを遊ぶようになってしまいます。
スマートフォンなどを駆使して
あなたから隠れるようにお子さまがゲームをし始めると
お子さまとゲームとの関わりを
親がコントロールすることは大変難しくなってしまいます。
親にばれないようにと、お子さまも知恵を働かせますので
ゲームで遊ぶ時間を制限することも、やめさせることも
目の前でお子さまがテレビゲームをしている時より
確実に困難になるだろうことは、言うまでもありません。
それに、親に隠れてスマホゲームをするくらいなら
まだ良い事例です。
私が今まで実際に目にしてきたなかで
ゲーム禁止令を親に出されてしまい、不満を抱いたお子さまのなかには
- 親の財布からこっそりお金を盗んで、ゲーム機を購入する
- 友達の携帯ゲーム機を「借りる」と称して、そのまま自分のものにしてしまう
といった、犯罪に近い行為に走ってしまうケースもありました。
あなたのお子さまは、中学受験を目指すくらいですから
他の一般的な小学生よりも、かしこく物事を考えることができます。
そんなお子さまが、自分のやりたいことを無理やり禁止された場合
大人では想像もつかないような知恵を絞って
なんとかゲームに手を伸ばそうとします。
「うちの子に限ってありえない!」
と思いたくなるものではありますが
「親に隠れてゲームをし始める」
「犯罪に近い方法でゲームに手を伸ばそうとする」
そんな事態を避けるためにも
無理やり「ゲーム禁止令」をお子さまに押し付けるのは
やめた方がいいでしょう。
【「ゲーム禁止令」が中学受験でNGな理由②】
中学入学後にゲームへの欲求が爆発し、成績低下につながる
中学受験を見守る親ができることとして
実践しがちな「ゲーム禁止令」。
その弊害は他にもあります。
「ゲーム禁止令」デメリットの2つめは
中学受験を終えたのち
中学入学以降にゲームへの欲求が爆発し
中学での成績が急低下すること。
これは中学受験の最前線に立ち続けてきた私からしても、本当によく目にするケースです。
受験勉強に一生懸命集中し
友だちとの遊びやゲームなどをなんとか我慢し続けて
ようやく志望校の中学校に合格したお子さまは
厳しい中学受験の反動から
気が緩んでしまうことがほとんどです。
この現象自体は別に悪いことではなく
中学受験を頑張ってきたお子さまにとっては
ある種、当たり前のことです。
しかし、ゲームにかかわらず
「漫画」「遊び」「テレビ」といった娯楽を
受験期間中に親から禁止されていたお子さまは
中学入学後に、禁止の反動で一気に娯楽にのめり込んでしまうことが多いです。
今まで禁止されてきたことでゲーム等に触れてこなかったため
小学生時代にほどほどにゲームと付き合ってきたお子さまに比べると
のめり込みの度合いは、非常に大きくなります。
「小学生時代は塾で自分より成績が悪かった生徒に、中学入学後には成績を抜かされてしまい、その後どんどん中学校で順位が下がっていってしまった」というお子さまをよく見かけます。大半は、小学生時代にゲーム等の娯楽を親から禁止されていた生徒です。小学生の頃は何とか親のコントロールで成績を維持していましたが、中学生になり抑圧がなくなると一気に成績が低下してしまいます。
お子さまが中学生になると
さまざまな遊びの知識やコミュニティを自分で見つけるようになりますし
大人になってきたぶん、親から隠れて遊ぶごとも上手になります。
それに年齢的にも、反抗期真っ只中の頃合い
小学生の頃は親の力でコントロールできていたことも
お子さまが中学生になると、制御はほぼ不可能になってきます。
中学受験の時期に親がゲームなどを抑圧しすぎると
中学入学後に、一気に反動がやってきます。
中学受験は人生のゴールではなく
あくまでより良い環境で中学生生活を送るスタートです。
「ゲーム禁止令」などでお子さまを押さえつけてしまうことは
その後の人生に悪影響を及ぼしてしまうことに繋がりかねません。
【「ゲーム禁止令」が中学受験でNGな理由③】
お子さま自身が中学受験を後ろ向きなものに考えるようになる
「ゲーム禁止令」の3つ目のデメリットは
何よりお子さまが中学受験をネガティブに考えるようになること。
中学受験を見守る親が子どもにゲームを禁止することは
一見すると勉強に集中させるための良い取り組みのように思えますが
先ほどからお話ししている通り、お子さまからすると
「ゲーム禁止令」とは
親からの「抑圧」であり「強制」です。
子どもに限らず
人間は誰かに抑圧されたり強制されたりすると
ネガティブな感情を抱いてしまうもの。
「本当はゲームがしたいのに、親に言われてイヤイヤ勉強する」
「他の友だちはゲームしているのに、自分は中学受験のせいでゲームができなくてつらい」
「ゲームができないくらいなら、中学受験なんてやめてしまいたい」
もしあなたのお子さまが
このような気持ちで塾に通ったり
受験勉強をしていたりしていたとしたら
あなたのご家庭の中学受験は、成功すると思いますか?
当然のことではありますが
「中学受験に前向きなお子さま」と「中学受験に後ろ向きなお子さま」がいれば
「中学受験に前向きなお子さま」の方が成績も伸びますし
受験の成功確率も大幅に高くなります。
これは私のブログでも度々書いていますが
中学受験を見守る親が、お子さまに対してできることで
最も重要なことは
この2点です。
「ゲーム禁止令」を出し、お子さまを抑圧することで無理やり勉強させてしまうと
お子さまは受験勉強に対してネガティブになるだけでなく
お母さま・お父さまからの愛情ではなく
プレッシャーばかりを感じるようになってしまいます。
「頑張って中学受験を成功させるぞ!」
「つらいけど、お母さんやお父さんと一緒に乗り越えていくぞ!」
このように、お子さまが中学受験に対して前向きな感情を抱くようになるためには
「ゲーム禁止令」というお子さまへの抑圧は
ご家庭内に取り入れない方が良いでしょう。
中学受験、親ができることとは――ゲーム禁止令を出さず、勉強に向かわせる方法
【中学受験勉強の隙間にゲームを上手に活用する】
「学習時間への報酬」ではなく「学習進度への報酬」にゲームを活用する
ここまで私は
「ゲーム禁止令」が中学受験にどのような悪影響を及ぼすか。
そのデメリットについてお話ししてきました。
お子さまを抑圧し、ゲームを禁止して勉強に向かわせることの弊害は
お伝えできたのかなと思います。
とはいえ、お子さまの好きな時間に
好きなだけゲームをやらせてしまっては
それはそれで、中学受験勉強に弊害が出てきてしまいます。
だからこそ、各ご家庭の保護者さまも
ゲームに関して頭を悩ませているわけですし
「ゲームを禁止しよう」と考えたくもなってしまうのです。
では、お子さまとゲームとの関わり方について
中学受験を見守る親が、どのように考えていけばいいか。
私は、事前にゲームに関する約束事を
親子の間でしっかり決めたうえで
お子さまにゲームを与えるというのが
一番だと思っています。
「そんな当たり前のこと?」「約束だけでうまくいくなら苦労しないよ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、ゲームに関してお子さまと約束事を決める際には、うまくいくコツがあります。
あなたももしかしたら、今まで
ゲームに関する約束事を決めようと
お子さまとまっすぐ向き合ってきたかもしれません。
しかし、お子さまが約束を守ってくれなかったり
約束通りにしても効果が薄かったりなどして
ゲームに関するお子さまとの話し合いを
諦めてしまいたくなることもあったのではないでしょうか。
実は、多くのご家庭はあまり実践されていないのですが
ゲームに関する約束事をお子さまと決めるには
ある大事なポイントがあります。
そのポイントとは
「学習時間に対する報酬」ではなく
「学習進度に対する報酬」として
お子さまにゲームを与えること。
この考え方が
受験勉強期間中のゲームとの付き合い方において
非常に大切になってきます。
「つまりどういうこと?」と思われる方もいらっしゃると思いますので、少し詳しく解説していきます!
お子さまにゲームを許可しているご家庭では
「平日や土曜日にしっかり勉強したら、日曜日に1時間ゲームをしていいよ」
「2時間勉強を頑張ったら、30分ゲームをしていいよ」
といった約束を、お子さまと取り決めている保護者さまが多く見受けられます。
しかし、実はこの約束の決め方は
あまり効果的ではありません。
というのも、勉強した「時間」に対するご褒美として
ゲームが位置付けられてしまっているからです。
この約束の決め方だと、「どれだけ頑張って勉強しても、日曜日にならないとゲームはできないんだ…」とお子さまが勉強に対して後ろ向きになってしまったり、「2時間勉強すればゲームができるなら、どうやって2時間を潰そうかな」と机に向かうことが目的化してしまうことがあります。これでは学習の効果も薄くなってしまいますし、「ゲームをするためにつらい勉強時間を耐える」という意識がお子さまのなかに芽生えてしまいます。
「これだけの時間勉強したから、これだけの時間ゲームをしてもいい」
という約束の決め方をしてしまうと
お子さまは受験勉強に対して後ろ向きなイメージを持ってしまいますし
一番大事な勉強の時間に、なかなか身が入らなくなってしまいます。
ではどういった約束の決め方が、ゲームに関しては大事か。
「塾の宿題を10ページ終わらせたら、ゲームをしてもいいよ」
「塾のテストで偏差値55を超えたら、その週の日曜日はゲームをしてもいいよ」
というふうに
【学習時間】ではなく、【学習の進度や成果】にひもづけて
ゲームに関する約束を取り決めるのが良いと
私は各ご家庭に伝えています。
「宿題10ページさえ終わればゲームができるなら、集中して早く終わらせるぞ!」「テストの成績が良ければゲームができるなら、毎日真面目に勉強しなきゃ!」といったように、【学習進度や成果】の報酬としてゲームを位置づけられれば、お子さま自身のモチベーションの向上に繋がります。それに、【学習時間】と違って【学習進度や成果】は目に見えて親にもわかるものなので、お子さまがズルをしてごまかすこともできません。
「勉強を頑張ったら、その分だけゲームをしてもいい」というのは
受験勉強中における、ゲームに関する約束の基本ですが
ポイントはお子さまの「勉強時間」ではなく
「勉強の進度・成果」を見たうえで
ゲームをご褒美として与えてあげること。
この視点を持って
ゲームに関する約束事を決めているご家庭は
受験勉強でも良い結果を残していることが非常に多いです。
ぜひあなたのご家庭でも
ゲームに関する約束事を決める際は
「学習時間」でなく「学習進度・成果」をみたうえで
お子さまにゲームを与えてあげてみてあげてください。
ゲームを禁止せず、ゲームとうまく付き合って中学受験を乗り越える!
【中学受験】親にできることは「ゲームへの理解を示すこと」
いかがでしたでしょうか。
今回は中学受験を見守る親ができることとして
ゲームとの上手な付き合い方について
お話ししてきました。
「ゲーム禁止令」は、非常にわかりやすく、親としても楽な方法ですが
お子さまの受験勉強や中学入学後のことを考えると
あまり適切な方法とはいえません。
また、ゲームに関する約束事をお子さまと決める際にも
勉強時間に対してゲームを与えてしまうと
お子さまの学習モチベーションを低下させてしまうおそれがあります。
お子さまの中学受験を見守る親が上手にゲームと付き合うためには
少しめんどうではありますが
お子さまの学習進度や、学習成果を見たうえで
「頑張ったぶん、お子さまにゲームをやらせてあげる」
という姿勢を意識することが大切です。
小学生のお子さまにとって
ゲームはたいへん魅力的な存在として目に映っています。
ただやみくもに禁止してしまうのではなく
ゲームに対するお子さまの関心に理解を示したうえで
中学受験で忙しい生活のなかに、上手にゲームを組み込んでいきましょう。
「お子さまのしたいこと」「興味のあること」を我々が理解してあげることで
「親が子どもにしてほしいこと」を、お子さまの方でも理解しようとしてくれます。
ゲームは親子の信頼関係を築くための大切なツールにもなり得ます。
中学受験で大変な時期ではありますが
ぜひ工夫して、親子でゲームと向き合ってみてください。
本ブログでは、これからも「中学受験にまつわる学習・生活の情報」「ご家庭が抱いている疑問・不安への解決策」などを、指導歴10年以上のプロ家庭教師がわかりやすくていねいにお話ししていきます。今後とも新着記事をチェックしていただき、あなたのご家庭の中学受験を満足のいく結果としていただけましたら幸いです!
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それでは今回の記事
『中学受験における「ゲーム禁止令」は効果があるのか!?~ゲームに対して親にできること~』
は以上とさせていただきます。
疑問点・質問等ございましたらコメントいただけますと幸いです。
それではまた、次回の記事にてお会いしましょう!
この記事を書いた人
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