中学受験を見守る親がやってはいけないNG行動~親ができることとは~
こんにちは! 中学受験専門、プロ家庭教師の佐藤です。
今回は中学受験を目指すご家庭の保護者さまが、「お子さまに対してやってはいけないNG行動」について解説します。
中学受験は、試験を受けるお子さま自身より
それをサポートするお母さま・お父さまの方が
緊張したり、そわそわしたりしてしまいますよね。
私も10年ほど中学受験生のご指導に携わってきたので
その気持ちは痛いほどわかります。
だからこそ
「自分たちが子どもにできることは何かないだろうか」
「成績向上のためにあれをやった方がいいんじゃないか」
と色々思いを張り巡らせてしまうもの……。
しかし、良かれと思ってやったことでも
間違ったサポート行動を親がとってしまうと
お子さまの成績は上がるどころか
むしろ成績が下がってしまったり
お子さまの学習モチベーションがなくなってしまったりと
思わぬ結果につながってしまうことがあります。
今回は、そのような観点から
中学受験を見守るお母さま・お父さまが
「お子さまに対してやってはいけないNG行動」
について紹介していきます。
ぜひこのブログの内容を参考にし
あなたのご家庭がチャレンジする中学受験を
満足した結果で達成してもらえればと思います。
それでは
「親がお子さまにやってはいけないNG行動」
さっそく見ていきましょう。
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中学受験、親ができることとは――大量の「〇〇〇」を買い与えるのはNG!
さて、中学受験を目指すご家庭で
お母さまやお父さまが子どもに対して
「やってはいけないNG行動」
とは、いったいどんなものか。
さっそく結論を申し上げると
「大量の参考書・問題集を買い与えること」
です。
「子どもにはたくさん勉強させた方がいいはずだ!」
「豊富な参考書がそろっていた方が、子どもも勉強しやすいだろう!」
と言いたくなった方もいらっしゃるかと思います。
確かに勉強を見守っている側からすれば
そういった気持ちになるのもごくごく自然なことです。
しかし、お子さまに大量の参考書・問題集を買い与えても
十中八九、お子さまの成績は伸びていません。
むしろお子さまの学力も、学習モチベーションも下がる一方です。
じっさい、私は買い与えられた大量の参考書に追い詰められて
中学受験を失敗してしまった生徒さまを何人も知っています。
ではなぜ
大量の参考書・問題集を親が買い与えてしまうと
お子さまの学力は低下してしまうのか。
理由をいくつかにわけて説明していきます。
【親が大量に参考書を買ってはいけない理由】知識が体系化されず定着しなくなる
「塾で扱っているテキストだけだと不安だから、子どもに市販の参考書を買い与えよう」
「四谷大塚の予習シリーズだけだと量が足りないと思うから
『新小学問題集』を用意して、『新演習』もやらせて、『自由自在』もやらせて……」
このように
お子さまに次から次へと
新しい参考書を買い与えるご家庭がいらっしゃいますが
このような行動を親がとってしまうと
お子さまの成績は間違いなく下がります。
一番大きな理由は
テキストから得られる知識がお子さまの中で体系化されず
結果的に学力として定着しなくなるからです。
算数でも国語でも理科でも社会でも同じですが、
一般的に中学受験用のテキストというのは
「その一冊をこなせば、十分な学力が身につく」
ように設計されています。
一冊のテキストのなかで
- 単元についての説明を行い
- いくつかの重要例題を提示し
- 練習問題を通じてお子さまの学力を向上させる
そういった計算された学習プロセスを
テキストは一冊の中に組み込んでいます。
これは塾の教材でも、市販の参考書でも同じことです。
お子さまの学力定着を最適化するため計算して作られたテキストは
「一冊を完璧にやり込むこと」が重要です。
一冊のテキストをやり込むことで
学力向上に必要な能力を一貫して身に着け
どんな問題にも対応できるよう「知識を体系化」をすることができるからです。
しかし、お子さまの前に
似たようなテキストや参考書が大量にあったらどうでしょうか。
お子さまはいったいどれから手をつければいいかわからず
つまみ食いをするように、あらゆる教材に少し手をつけてみるものの
たったの一冊も完璧にやり込むことはできず
学力向上に必要なプロセス・体系を習得することができないまま
なんとなくテキストの問題をいくつか解くだけで満足してしまうでしょう。
中学受験の学習において
「一つの問題を、なぜそうなるのか、どう解くのか、徹底的に考える」
ことは非常に重要です。
また、一つの問題からいくつもの考え方を学ぶことで
お子さまの知識は体系化され、他のあらゆる問題にも対応できるようになります。
だからこそ
「大量の参考書をやみくもに消費し続ける」ことより
「薄くてもいいので一冊のテキストを完璧に身に着ける」
ことの方が、学力向上においては効果的なのです。
塾のテキストや市販の参考書は
「その一冊だけやっておけば学力が身につく」よう
プロの講師自身によってきちんと設計されています。
ただしその効果は、一冊にきちんと取り組むことを前提としています。
だからこそ
お子さまにやみくもに教材を買い与えるのではなく
まずは「塾のテキストだけ」「市販の薄い参考書一冊だけ」
を徹底的に使いつぶすよう
お子さまには伝えていきましょう。
追加の教材購入を検討するのは
一冊を完成させてからでもまったく遅くはありません。
【親が大量に参考書を買ってはいけない理由】学習ゴールが見えなくなってしまう
お子さまに大量の参考書を買い与えてはいけない
理由の2つ目として
「学習ゴールがお子さまの目から見えなくなってしまう」
ことが挙げられます。
中学受験勉強のゴールは
もちろん
「志望校に合格すること」
「合格のために十分な学力を身に着けること」
なのですが
あなたのお子さまはまだ小学生
目の前の学習や課題だけで手いっぱいになってしまいますし
受験まで半年以上の日数があるのだとしたら
そんな先まで見据えて学習を進めていくことはなかなか難しいです。
だからこそ、中学受験合格という大きな目標の前に
「1冊のテキストを完璧に仕上げる」
「今まで間違えた問題を解き直しして、全部できるようにする」
などといった小さなゴールを設定してあげる必要があるのですが
大人が大量に参考書を買い与えすぎてしまうと
小さなゴールの設定が非常に難しくなってしまいます。
お子さまからすれば
大量の参考書が目の前にあると
「やってもやっても、まったく勉強に終わりが見えない」
といった状態に陥ってしまいます。
それでは学習における達成感も得られなくなってしまいますし
次第にモチベーションもどんどん下がってしまい
「どうせ勉強を頑張っても永遠に終わらないから、頑張っても無駄なんだ」
といった無気力状態に陥ってしまいます。
こうなると、お子さまの中学受験合格は非常に厳しくなってしまいます。
継続的な学習習慣を身に着け、お子さまの学力を伸ばすために重要なのは
何といっても
「お子さま自身が勉強に前向きなること」
「お子さまのモチベーションが高い状態で維持されること」
です。
そのためには学習において
「一冊のテキストを完璧にする」等
小さなゴールを設定し
ゴールを迎えるたびに
達成感が得られるような仕組みづくりが大切になってきます。
大量の参考書をいっぺんに子どもに買い与えることは
そうしたゴール・達成感をお子さまから奪ってしまうのと同じこと
学習量だけではなく
お子さまの気持ち・モチベーションにもぜひとも目を配るようにしましょう。
【親が大量に参考書を買ってはいけない理由】いつまで経っても先の学習に進めない
「うちの子は算数の食塩水の問題が苦手だから、詳しい解説のある問題集をたくさん与えてなんとか克服させたい」
といったような気持ちから
問題集や参考書を大量に購入する保護者様もいらっしゃいます。
しかし、これもやはりおススメできない行動です。
たしかに算数に限らず
お子さまに苦手な単元があれば
同じ単元・似たような問題を何回も復習させて
成績UPさせたくなるお気持ちはわかります。
しかし、複数のテキストや教材を使用して
同じ単元ばかりお子さまに取り組ませていると
お子さまはいつまで経っても先の単元・学習分野に進むことができなくなります。
それに、苦手な単元ばかり大量にやらされることは
お子さまにとってもかなりしんどく感じるもの。
できない問題ばかりに直面し続けるため
学習のモチベーションは急激に下がっていく傾向にあります。
「苦手を克服させてあげたい」
「この単元さえ得意になれば、塾のテストも点数が取れるのに!」
と焦る気持ちはわかるのですが
お子さまが苦手とする分野は
一旦軽く流して次の学習に進んでいくということも大事です。
お子さまの苦手を克服するには、相応の時間がかかります。
だからこそ、大量の教材を買い与えて短期集中的に特訓するというよりは
日々少しずつ、理解できそうな問題から
ゆっくりと解決していくといった方法を選択するべきです。
また、お子さまが他の得意分野で高成績を取り続けられるようになると
「今なら苦手だったあの分野の問題もできるかもしれない!」
「食塩水さえ克服できれば、塾で上のクラスに上がれそうだ!」
と、お子さま自身が前向きに苦手と向き合ってくれることもあります。
お子さまが苦手を克服する瞬間というのは
年齢的な側面からも
また、モチベーションに左右されることからも
親や大人たちにとっては、予測不可能なことが多々とあります。
だからこそ、仮に苦手な単元があったとしても
参考書や問題集を大量に買い与え、むりやり学習させようとするのではなく
むしろ「いつか苦手を克服できるよう、長い目で見守ろう」
といったスタンスを取ることが大事です。
中学受験、親ができることとは――学習へのモチベーションを刺激すると同時に、愛情を注いであげる
いかがでしたでしょうか。
今回は中学受験を見守る親が、お子さまにやってはいけないNG行動について解説しました。
冒頭にも書きましたが
中学受験というのは
実際に受験するお子さま本人より
それを見守るお母さま・お父さまの方が
焦ったり気を揉んだりしてしまうもの
だからこそ「親ができることは何かないか」と考えを張り巡らせてしまいます。
お子さまの勉強について心配すること自体は
親の姿勢として素晴らしいものです。
しかし、間違ったサポート行動を取ってしまうと、
お子さまの中学受験を失敗させてしまう要因になってしまうので
注意しておきましょう。
参考書や問題集を大量に買い与えることは、特にNGです。
では、中学受験において
親が子どもできることとは一体何でしょうか。
私はやはり、以下の2つだと考えています。
勉強を教えることや、お子さまの苦手を克服すること
お子さまの学習スケジュールを管理することは
塾の講師や、家庭教師でもできることです。
しかし
普段からお子さまが前向きになれるよう気持ちを盛り上げたり
大切な家族として愛情を注いであげたりすることは
親であるあなたにしかできないことです。
お子さまは、中学受験勉強を通じて親の期待になんとか応えようとするものです。
だからこそ
「もっとたくさん勉強しなさい!」
「なんで良い成績が取れないの!」
「参考書をたくさん買ってきたから、全部やりなさい!」
と追い詰めてしまうと、お子さま自身、親の期待に押しつぶされてしまいます。
中学受験や日々の学習に対するモチベーションも、大幅に低下してしまうことでしょう。
中学受験を目指すご家庭で、親が子どもにできることとは
お子さまを信頼し、愛情をもって心理的なサポートをすることだと
私は考えています。
もしお子さまの学習面で不安なことがあれば
私のような家庭教師や、塾の先生を大いに頼ってください。
その代わり
「親にしかできないこと」
「親として子どもに与えられること」
すなわち
愛情を注ぎ、前向きな声かけを行うことは
ぜひともお子さまに対して実践していただければと思います。
今回の記事は以上となります。
今後とも、中学受験に役立つ知識や
難関私立中学校の入試突破戦略など
あなたのお役に立てる情報を発信していきますので
引き続き当ブログをチェックしていただければと思います。
過去の人気ブログ記事はこちらからもお読みいただけます
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
この記事を書いた人
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