国語の成績を上げるため子どもに本を読ませた方がいい?中学受験プロ家庭教師が解説!
いつもありがとうございます!中学受験専門、プロ家庭教師の佐藤です。
今回、こんな質問をいただきました。
「うちの子、全然本を読みません。国語の成績を上げるためにやはり読書をさせた方がいいですか?」
中央区在住 中学受験を目指す小4男子(早稲田アカデミー通塾)のお母さまからいただいた質問
お子さまに読書の習慣がないと「国語、大丈夫かな?」と不安になりますよね。
たしかに読書が趣味なお子さまは国語の成績も良い傾向にありますので
そういったお子さまが中学受験塾の友達にいたりすると
「うちの子もああいう風になってほしい…!」
と思う気持ち、すごくわかります…!
私も塾で国語講師をしていた時期は
「子どもに本をたくさん読ませたほうがいいですか?」
「うちの子が国語の成績が悪いの、読書習慣がないせいだと思います」
などといったご相談をたくさんいただいておりました。
だからあなたの感じている不安は
実は中学受験を目指す他の多くのご家庭も、頭を悩ませている問題なのです。
そんな方々に、私がいつも言っている言葉があります。
それは
「お子さまに、無理に本を買い与えないでください」
というもの。
えー!と思われるかもしれません。
「国語は文章を読む教科なんだから、普段から小説に触れさせなきゃ成績が上がらないんじゃないの?」
「国語の先生が『子供に本を読ませるな』っていうなんて、どういうこと!?」
あなたのその思い、非常によくわかります。
私だって本当は、お子さまにはたくさん素敵な文章に触れてほしい。
有名な文学作品を読み漁って、人生に役立つ教養を身につけてほしい。
しかし
「国語の成績を上げるのに本を買い与えるのは意味がない」
「むしろ逆効果になる可能性もある」
と私が言うのには、ちゃんとした理由があります。
今回は、お子さまの国語の成績を上げるのに
「本を買い与えるのが無意味どころか逆効果になることもある」
理由について、詳しく述べていくと同時に
あなたのお子さまも今日から簡単に取り組める
国語の成績UP法についてお話ししていきます。
今回お話しする方法を実践していただければ
「せっかく子供に本を買い与えたのに、全然読んでもらえずもったいない気分になる」
「読書をしないことが原因で、お子さまと喧嘩をしてしまう」
といった悲しい状況がなくなるどころか
「無理なくお子さまの国語の成績が急上昇した!」
「本を読むことが嫌いだったお子さまが、いつの間にか自分から読書するようになった」
「『読書しなさい!』という強い言葉が家庭からなくなって、親子喧嘩が少なくなった」
といった嬉しい出来事が、あなたのご家庭にもたくさん舞い込んでくるのではないでしょうか。
ぜひこのブログ記事を参考にし、お子さまの中学受験に向けて、楽しく効果的な学習準備を進めていっていただけたらと思います。
それでは今回も「やってよかった」「楽しい」中学受験のノウハウを、一緒に勉強していきましょう!
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読書嫌いのお子さまに無理やり本を読ませてはいけない理由ーー中学受験国語は「車の運転」と同じ!?
「国語の成績を上げるのに本を買い与えるのは意味がない」
「むしろ逆効果になる可能性もある」
これは、過去に塾で国語科の主任をつとめ
中学受験プロ家庭教師として
国語のご指導を現役で行っている私が出した結論です。
まずはその理由を簡単に説明します。
国語の成績を上げるのに子どもにたくさん本を買い与えても、逆効果になる可能性があるーー
一番の理由は、「国語」という科目の性質にあります。
というのも、国語の読解問題は、車の運転に非常によく似ているんです。
国語の文章読解では
記述問題にせよ選択肢問題にせよ、正解を導くために
たとえば接続語(なぜなら、しかし、つまり など)などの案内に従いながら
「どの部分が大事な言葉なのか」
を広大な文章中から探して、筆者の言いたいことを読み取る技術が求められます。
国語で高得点を取るためには
- 指示語や接続語、因果関係などを用いた読解テクニックを学び
- 文章読解において、学んだテクニックを正しく使えるよう練習し
- 練習したテクニックを用いながら、適切な順序で文章を整理し、正答に至るまでの道筋を進んでいくこと
が必要不可欠です。
一つの文章という大きな道のりを
読解テクニックを用いながら適切な順序で読み進めていき
内容を整理しながら正解に辿り着くーー
これはまさしく、車の運転において求められている能力と同じです。
だからこそ、車の運転と同じように、国語の文章読解も
「正しい方法」で学んでいかなければ、成績向上は見込めません。
もしあなたが車の運転免許を習得するために
自動車教習所に通ったことがあるのなら
ぜひその経験を、今一度思い出してください。
自動車教習所では、
- 交通ルールや運転の方法について、教官から授業をしてもらうことで学び
- 教習所内のコースで、学んだ知識や技術が正しく使えるか練習し
- 練習した運転技術を用いながら、実際に路上に出て、実践的な運転についてトレーニングしていく
このようにして、車の運転を段階的にマスターしていきますよね。
自動車教習所で運転を学ぶための3ステップ
これは先ほど私が挙げた、国語で高得点を取るための学習3ステップに
非常によく似ていると思いませんか?
国語とは、よく勉強するのが難しい科目だと言われていますが
その大きな原因は
「自動車教習所のように、正しいステップで学習できているお子さまが少ない」
ことが挙げられます。
本来国語とは、正しい勉強法で、段階を踏んでトレーニングしていけば
決して成績を上げるのは難しい科目ではありません。
(じっさい、私が家庭教師として担当したご家庭でも、1ヵ月ほどで偏差値10上げた小学生の生徒さまがいらっしゃいます)
正しい勉強法を知っていれば、国語の成績を上げるのは簡単なのに
その「正しい勉強法」があまり知られていないからこそ
中学受験を目指す多くのご家庭で、国語の成績低迷に頭を悩ませてしまっているのです。
そして冒頭にも書いた
「国語の成績を上げるために、子供にたくさん本を買い与える」という方法。
これは明らかに、間違った国語の勉強のさせ方になってしまいます。
自動車の運転でたとえるなら
国語が苦手な生徒に有名な文学作品を読ませようとするのは
「教習所に通ったことがない無免許ドライバーに立派な高級車を買い与えて
『これで外を走ってきなさい』と送り出すのと同じこと」です。
これでは運転がうまくなるどころか
下手をすると交通事故を起こしてしまい、それ以降、運転するのが怖くなってしまうことだってあるでしょう。
普段から読書週間のないお子さまや
国語嫌いのお子さまに無理に本を読ませようとしても
「文章の読み方」「正解の導き方」
を誰も教えてくれないのであれば
お子さまもどう本を読んでいいかわかりませんし
読み方のわからない本を目の前にして
読書嫌い・国語嫌いになってしまう可能性も高いです。
したがって
普段からあまり読書をすることがないお子さまに対して
「保護者さまが無理に本を買い与える」「難しい本をたくさん読ませる」
というのは
国語の成績を向上させることにおいては、逆効果と言わざるを得ません。
中学受験国語の成績を簡単に上げる方法を、現役プロ家庭教師がご紹介【今日からできる2つの方法】
「国語の成績を上げるためにお子さまに本を買い与えるのは逆効果」
とここまでお話ししてきましたが
では国語の成績を上げるために
ご家庭で取り組める簡単な方法はないのでしょうか。
結論を言うと、ご家庭で実践可能な方法は存在します。
しかも今日から取り組める、非常に簡単な習慣が2つもあります。
以下にそれぞれ、詳しく説明していきますので、ぜひあなたのご家庭でも試してみてください。
【中学受験国語力UPの方法①】お子さまに漫画を読ませてみる
読書習慣のないお子さまが、無理なく活字に触れ
楽しみながら本のページをどんどんめくってくれるようになる方法
それは、お子さまに漫画を読ませてあげることです。
漫画であれば、難しい評論文や文学作品を読むのが苦手なお子さまでも
自分から意欲的に読み進めてくれますし
自然と内容を理解する能力が上がったり、本を読むスピードが上がったりなど、
中学受験国語の成績をUPさせる基礎体力が身に着きます。
「え!漫画って娯楽なのに、読ませても大丈夫なの?」
と、もしかしたらあなたは思われるかもしれません。
確かに漫画は内容が子供向けだったり、小説に比べて文字が少なかったりで
国語の成績を上げるのに子供に与えるには、少し抵抗がありますよね。
でも、「漫画を読むことで国語の成績が上がる」ことには
ちゃんとした根拠があります。
まず第一に
趣味で漫画を読むことをしないお子さまは
ほとんどの場合、国語の成績が悪い傾向にあります。
これは私が塾講師をしていた時代の話なのですが
とある生徒から衝撃的な事実を聞かされました。
「私、漫画読むの嫌い。だって漫画は文字が多いから」
その生徒は国語の成績があまり良くなく
普段から読書習慣もなかったようなので
「漫画と同じ感覚で小説を読んでみたら?」
と提案した時に、言われた言葉でした。
お母さま・お父さま世代からするとびっくりすることかもしれませんが
現代のお子さま、特に国語が苦手なお子さまは
「漫画を読むことすら慣れていない」
「漫画自体が嫌い」
なのです。
確かに現代の子どもの娯楽といえば
YouTubeだったりTikTokだったり
動画コンテンツが主流になっています。
しかもその動画も短いものや
見やすいように無駄な部分がカットされているものが大半。
なかにはYouTubeの動画をそのまま見るのも苦痛で
倍速でばかり見るお子さまもいます。
その後、私が講師を行っていた塾でアンケートを取ったところ
国語の成績が芳しくない生徒のほとんどが
「漫画は普段読まない」
「自由な時間は主にYouTubeばかり見ている」
と答える結果になりました。
私は決して、YouTubeや動画コンテンツを否定する立場ではありません。
なかにはお子さまの知的好奇心を刺激する動画や、ためになる動画も多々あります。
しかし
「一冊の物語を集中して読む」
「自分のペースでページをめくり、物語を追っていく」
という経験は小説や漫画からしか得られるものではなく
漫画を読まなくなった現代の子どもたちの国語力は
明かに低下しています。
漫画を読むことが国語力向上につながる根拠は、これだけではありません。
実は、国語の成績の良いお子さまの大半は、漫画を読むことを趣味にしています。
特に成績が良い子が共通して好きな漫画が
青山剛昌さんの『名探偵コナン』です。
主人公のコナンは名探偵として
現場に残された手がかりや証拠品、目撃者の証言を手掛かりに
毎回難解な事件を解決していきます。
実はコナンのこうした行動は、国語の問題を解く際のお子さまの仕草に非常に良く似ています。
というのも、お子さまは国語の読解問題を解く際
- 文章全体から回答の手がかりになる根拠を探し出し
- その根拠をもとに、記述問題や選択肢問題に取り組み
- 選択肢問題で「正解の選択肢」「間違いの選択肢」を分類する場合は、見つけた根拠と照合しながら、「間違いの選択肢」の矛盾を暴き出す
こういったプロセスを踏んでいます。
お子さまが実践している国語の解き方は
まさしくコナンが実践している
探偵的行動とそっくりではないでしょうか。
だから、『名探偵コナン』を愛読している小学生は
みんな国語の成績が高い傾向にあります。
とはいえ、お子さまの興味・関心が向く漫画を読ませてあげることが一番。
興味のない漫画をお子さまに買い与えても
それは難しい小説を買い与えることと同じ結果になってしまいます。
漫画を読むことがお子さまにとって趣味になればOKなので
漫画のジャンルはどんなものでも構いません。
日本の歴史を漫画化した学習漫画じゃなくても構いませんし
『名探偵コナン』にこだわる必要も一切ありません。
現に、東大を卒業してから塾経営をはじめた私の知人は
学習とはまったく関係のない漫画を生徒に貸し出すため
何十冊も塾に常備しています。
勉強する時間は、もちろん塾の教材や参考書等に向き合ってほしいですが
趣味の時間に、漫画を取り入れていただければ
あなたのお子さまにも国語基礎力は、間違いなく身に着くでしょう。
ただし「ただ漫画を読みっぱなしにする」だけよりも
「お子さまに漫画の感想を説明させる時間を取る」方が
よりお子さまの言語能力・説明能力を高めることができます。
夕食時や、夜寝る前などのちょっとした時間で構いません。
「最近読んでいる、あの漫画どうだった?」
「面白い?」
などと、あなたの方から話題を振ってみましょう。
単純に「面白い」「キャラが格好よかった」と返事が返ってきたなら
「なんで面白いと感じたの?」
「あのキャラの、どういうところが格好いいの?」
と、お子さまに詳しい説明を促すような質問を投げかけてみてください。
「読んだものの内容を整理し、自分の言葉で説明できる」
これは国語の成績を上げるにあたり、非常に重要な能力です。
今日からでもすぐ実践できますので、ぜひあなたのご家庭でも取り組んでみてください。
【中学受験国語力UPの方法②】日記や作文等、文章を書く習慣をお子さまにつけさせる
国語の成績を無理なく簡単に上げる方法は、もう一つあります。
それは、お子さまに「文章を書く習慣をつけさせる」こと。
文章というのはお子さまにとって、きちんと書くのは意外と難しいもの。
「それ」「これ」といった指示語を正確に扱い
「なぜなら」「しかし」「だから」などの接続語の機能を正しく理解していないと
文章はうまく書くことができません。
だからこそ、逆に
正しく文章を書くことを通じて
「指示語」「接続語」「因果関係」「言い換え表現」
といったテクニックを身に着けることができるのです。
私が家庭教師をしている生徒さまでも
小4~5年生までは中学受験国語を突破するため、作文を書く課題を課しています。
ただし、注意しなければならないのは
- 「いきなりお子さまに正確な作文を求めすぎないこと」
- 「お子さまが興味ない内容に関する作文は書かせないこと」
この2点だけ、気をください。
そもそも最初から完璧な文章が書けるお子さまは
国語に苦手意識を持ったり、成績が低迷することはありません。
ほとんどの小学生が、読書感想文を書くことに苦手意識を感じていると思いますが
それは正しく文章を書く力がまだ十分についていないからです。
だから、たとえばお子さまが書いた文章に対して
「もっとちゃんとした日本語で書きなさい」
と叱責したり
あるいは、大人の目線で正しく添削しすぎたりしないことが大切です。
まずはお子さまが書いた文章を褒めてあげて
その文章の中から「直した方がよさそうな場所」を
「1点だけ」お子さまに伝えてあげるようにしてください。
そうすることで、お子さまのモチベーションアップにも繋がりますし
無理なく少しずつ、作文や国語の読解に必要なテクニックを定着させることができます。
また、お子さまに文章を書かせる場合は
「必ずお子さまの興味が向くこと」について書かせるようにしましょう。
大人の目線からすると、どうしても
「最近読んだ本のなかで面白かったものを説明してみよう」
「友達のいいところを紹介してみよう」
「今日自分が行った『他人への親切』を書いてみよう」
などといった、教育的な内容の作文を書かせたくなってしまいます。
しかし、子どもたちは小学校で
さんざんそういった文章を書かされているので
正直、うんざりしてしまいます。
だからこそ、お子さまに書かせる作文の内容はあまり教育的にしすぎず
むしろ
「好きなゲームの魅力を、それを知らない人に200字で説明してみよう」
「一日のなかで楽しかった出来事を、100字で書いてみよう」
などといった、お子さまが興味を持ちやすいものにしましょう。
作文において大事なのは、「どんな内容を書くか」ではなく
「どれだけ正しい日本語で書くことができるか」です。
テレビゲームに関する文章であれ
「なぜそのゲームが面白いのか」
「そのゲームは、どんな年齢や性格の人に向いているのか」
「そのゲームを自分と同じように遊んでいる友達は、どんな人間か」
といった細部を掘り下げて書けるようになれば
日本語のスキル・中学受験に必要な国語のスキルは一気に上達します。
ぜひとも
「最初は下手でも構わないので」
「無理なくコツコツ」
「お子さまが好きなことに関する」
作文を書かせる習慣を、あなたのご家庭でも取り入れてみてください。
国語に限らず「正しい学習法」「正しい習慣」を身に着け、中学受験を突破していきましょう
いかがでしたでしょうか。
今回は、中学受験を目指すご家庭からいただいた質問をベースに
「国語が苦手なお子さまに無理やり読書させない方がいい理由」
「国語が苦手なお子さまでも、簡単に成績UPさせる方法」
についてお話ししました。
これは国語に限った話ではありませんが
中学受験に向けて、お子さまの成績を向上させるには
「自分から勉強する習慣」をお子さまに身につけさせることが何より大切です。
親が無理やり勉強を強制するスタイルでは
お子さまの学習に対するモチベーションも下がってしまいますし
いずれ限界がきてしまいます。
だからこそ
「あなたのお子さまが興味を持てるやり方で、成績向上に必要なスキルを身に着けさせる」
このことをぜひ念頭に置いて
お子さまの学習をサポートしてあげてください。
このブログでは今後も中学受験に役立つ情報や
難関校・名門校を突破する受験戦略などを
プロの家庭教師目線から、お届けしていきます。
引き続きチェックしていただき
ぜひともあなたのご家庭の中学受験を
「やってよかった」「嬉しい未来に繋がった」ものにしていただければ
これほど嬉しいことはありません。
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