攻玉社2026年社会入試問題「ガンダム」について、中学受験のプロ家庭教師が思うこと

こんにちは。
中学受験プロ家庭教師の佐藤です。
2026年も都内中学受験が本格的に始まり
私の担当ご家庭でも、多くの結果報告をいただいております。
合格の結果もあれば、思うように進まない結果も出てくる時期ですが
最後まであきらめないご家庭には、明るい結果が舞い込んできます。
みなさまにとっても正念場の時期だとは思いますが
ぜひとも前向きに、4月からの前向きな学校生活を見据えて
中学受験を進めていただければ、何より嬉しいです。
今回は、表題の通り「攻玉社2026年社会入試問題」について
中学受験の現場に13年立ってきたプロ家庭教師の目線から
中学受験について考えるところをお話しできればと思います。
東京都の中高一貫進学校、攻玉社中学校の
本年度第一回入試の社会の問題に、このような問題が出題され
SNSや掲示板上で話題となっています。
下線部②について、人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって半世紀が過ぎた宇宙世紀0079年、地球に最も遠い宇宙都市が、地球連邦政府に対して独立戦争を挑む作品(1979年テレビ放映)を次の中から1つ選び、記号で答えなさい。(攻玉社中学校2026年,第一回社会入試問題,大問1問4より引用)
この問題に対して、6つの選択肢から正解のアニメ作品を選ぶという問題でした。選択肢はどれも宇宙舞台のアニメやロボットが主役のアニメで構成されています。正解は「機動戦士ガンダム」でしたが、一見中学受験の社会知識とは全く関係のない問題。インターネット上では賛否が起きていますが、私はきわめて良問だと考えています。
攻玉社中学校、社会入試問題の「ガンダム」は悪問か
この入試問題に対して
インターネット上では一部
- 中学受験の社会の学習となんの関係性もない
- オタク的な知識がないと解くことができない
- 学力以外の点で受験生をふるいにかけている
といった厳しい意見が見られています。
しかし、私は中学受験のプロ家庭教師として
この「ガンダム問題」はきわめて素直で、良問だと考えています。
文化祭には巨大なガンダム。学校パンフレットでも目を引く「ガンダム」。
攻玉社中学校には、「ガンダム研究部」という部活動が存在します。
これは一部の人だけが知っているような裏情報ではありません。
じっさい、攻玉社中学校の文化祭「輝玉祭」では
例年、巨大なガンダム模型をはじめとしたガンダム展示が展開されており
学校案内のパンフレットやホームページでも
「ガンダム研究部」はひときわ目を引く存在となっています。
すなわち、攻玉社中学校にとってガンダムとは
学校の「らしさ」を象徴する存在の一つ。
学校側も、積極的に発信している要素です。
あなたの目で学校を見たか、文化祭に行ったか、雰囲気を感じ取ったか
つまり今回の入試問題は
けっして「アニメ好きかどうか」や「オタク的な知識」を問う問題ではありません。
文化祭に一度でも足を運べば、
ガンダムに詳しくなくても、ガンダム研究部に興味がなくても、嫌でも目に入る。
パンフレットに目を通していれば、自然と記憶に残る。
そうした「学校を実際に見たかどうか」「雰囲気を感じ取ったかどうか」を
ごく自然な形で確認している問題だと私は感じました。
この問題に対して、「学力以外で受験生を選抜している」という批判も見られます。
たしかに、こういった批判が起こることも、自然だと感じます。
しかし、中学受験はもともと学力だけで完結する選抜ではありません。
学校説明会や文化祭に足を運び、
校風や雰囲気を自分たちの目で確かめ、
「この学校に通いたいかどうか」を本気で考える。
それは中学受験において、ごく当たり前の行動です。
もちろん、合格に必要な学力が土台であることは大前提です。今回のガンダム問題は社会の小問1つ分。これだけで合否が決まるわけではなく、「それ以外の学力面で届かなかった受験生」「ガンダムを取りこぼしても合格する受験生」あらゆるケースが想定されます。そのうえで、学校が『欲しい生徒像』に沿って選抜設計をするのは珍しいことではありません。
そういったご家庭や子どもたちの熱意に対して
たった一問、ささやかな点数を与えてくれる問題。
私はむしろ、攻玉社社会の「ガンダム」は
学校の姿勢としても一貫していると感じます。
攻玉社中学校の「熱望組」への姿勢
攻玉社中学校が「第一志望者」「熱望組」の受験生を歓迎している姿勢は、実は過去より一貫しています。
攻玉社中学校HP内に記載されている「入試に関するFAQ」では、下記の通り明言されています。
Q.第1回と第2回を続けて受けると有利になると聞きましたが、本当ですか。
A.その通りです。第1回・第2回連続受験者を、本校では“熱望組”と呼んでいます。熱望組の受験生は、合格最低点に達していない場合でも、ある範囲で点数をプラスし、合格最低点に到達すれば正規合格として発表します。(第1回の成績と第2回の成績でどちらか合格最低点に近い点を基準とします)
具体的には、第1回の合格最低点が180点で本人の成績が175点、第2回の合格最低点が190点で本人の成績が180点だったとして、仮に加算点を5点とした場合、第1回の本人成績に5点を加えると合格最低点180点となるため、175点でも合格とします。(第2回の発表で合格とします)
加算点は毎年変わりますし、この範囲も人数も毎年変わります。
(攻玉社中学校・高等学校公式HPより引用)
社会科の学力試験における「ガンダム」問題に関して賛否が起きるのは、自然なことだと考えます。
反面、「学力試験において受験生の熱意を加味するといった姿勢のある学校」という特色は、透明性の高い情報として明示されています。
複数回受験で加点のある学校は他にも存在し、逆に受験回数で贔屓せず完全学力重視といった私立中学校も多く存在します。
これは好みの問題ではなく、学校ごとの方針の違いであり、攻玉社も例に漏れません。
本年度の「ガンダム問題」は、学校がかねてから持つ理念の変奏であると私は捉えています。
特別な塾情報が必要なわけでもなく、高額な教材が必要なわけでもない。
文化祭という制度が用意されている以上、そこに行くこと自体は誰にでも可能です。
だからこそ
「その学校に行きたい・興味がある」という気持ちを行動に移したご家庭を評価する。
「攻玉社という学校を、自分の目で見に来てくれた子ども」を評価する。
「この学校に入りたい!と熱い思いをもって行動してくれた子ども」を評価する。
それは学校として、十分にあり得る姿勢だと感じます。
中学受験に一生懸命取り組んでいるあなたへ、プロ家庭教師から伝えたいこと
中学受験に真剣に取り組んでいると
どうしても「勉強の出来・不出来」だけに目が向きがちになります。
でも実際には
- その学校をどれだけ調べたか
- どんな気持ちで受験しているか
- 学校の雰囲気と合っているか
といった要素も、入学後の学校生活を大きく左右します。
本年度の攻玉社社会の「ガンダム」問題は
そうした数字には表れにくい部分を、さりげなくすくい取った一問だと私は思います。
中学受験はゴールではありません。
合格の先には、6年間の学校生活があります。
だからこそ、「その学校を本当に見たかどうか」を問う問題が、入試に含まれていても不思議ではない。
そして、これは攻玉社中学校に限った話ではありません。
中学受験の入試は、文化祭や学校説明会を通して
その学校を深く知ろうとしてくれたご家庭に
入試本番でやさしく応えてくれることが往々にしてあります。
20年ほど前になりますが、私自身が中学受験を経験した際
リニアモーターカーが未来の技術として社会的に取り上げられていました。
そして、今では母校となる私立中学校の学校説明会に行った際
説明を担当してくださった中学校の理科の先生が
「今年はリニアモーターカーの問題が色んな学校で出るから、勉強しておきましょう」と言っていました。
そしてその年の母校の理科入試で、リニアモーターカーを題材にした問題が
大問まるまる一つ分出ていたことを、今でも覚えています。
これは単なる思い出話ではありません。
私が家庭教師として中学受験の現場に立ってからも
さまざまなご家庭から似たような話をお聞きします。
来年以降、中学受験の本番を迎えられる方がいらっしゃいましたら
ぜひとも学校説明会に行ってください。
文化祭に行ってください。
自分たちの目で、体感で、学校を感じてください。
そして「この学校に本気で通いたい!」と思ったご家庭
あるいはそこまでいかなくとも
「通うことになるかもしれないから、たくさん学校のことを知っておきたい」と行動したご家庭
そういった熱意あるご家庭に、中学受験は微笑んでくれます。
今回の攻玉社中学校の社会の入試問題は
中学受験という制度の本質を、静かに思い出させてくれる問題だったと、私は考えています。
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この記事を書いた人


学校内でも色々言われてますね 学力的にも滑り止めとして受ける人が多いから知らない人も多い
よくない問題 と言われてますが、この記事を見て見るとそこまで悪い問題とは思いませんね
コメントありがとうございます。攻玉社に限らず、私立校が「受験生の熱意に応える」「文化祭・説明会に参加した受験生に報いる」入試問題を出題するケースは少なくありません。入学時の学力も重視されるべきという意見ももっともであると同時に、【学校内で育てていく】という理念のもと、自校志望度のより高い受験生を入学させようという意図は、学校側としても自然なものだと考えます。